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2020-01-06更新

「1日1個のりんごは医者知らず」って本当?りんごの栄養と効率の良い食べ方

スタディー

私たち日本人にとってお馴染みの果物「りんご」。
甘酸っぱい味と爽やかな香り、シャキシャキとした食感が魅力で、幅広い世代で人気があります。

美味しいだけではなく、その栄養価の高さから「りんごが赤くなると医者が青くなる」と言われるほど。
この記事では、りんごの栄養素と効能、効率の良い食べ方や美味しいりんごの選び方などをご紹介します。

 

りんごの種類


りんごは多くの品種があり、その数は世界で1万種類以上ともいわれます。
日本では約2000種類が存在し、代表的な品種「ふじ」が国内の生産量の約半数を占めています。
「ふじ」は国外にも輸出、世界各地で栽培され、世界的に最も多く作られている品種であることが確認されています。

ふじ

果汁が多く、甘さと酸味のバランスが良い品種です。
シャキシャキとした歯触りも人気の高さのポイントです。
貯蔵性が高く、定温庫の保存で半年以上品質を保つことができます。

通常、ふじは色づきを良くするため果実に袋をかぶせます。
袋をかぶせずに栽培したものは「サンふじ」とよばれ、太陽の光をたっぷりと浴びるため甘く、蜜が入りやすくなります。

つがる

8月頃から収穫できる中早生種で、国内ではふじに次いで2番目の生産量を誇る品種です。
果肉は固め、果汁が豊富で甘みが強く、酸味はほとんどありません。

紅玉

アメリカ原産の小玉の品種で、名前のとおり真っ赤に色づきます。
甘みもありますが、酸味がしっかり感じられます。

近年甘い品種が多い中で、甘酸っぱい味が再評価されています。
緻密でしまりのある果肉が特徴で、アップルパイなどの製菓用としても人気があります。

王林

青りんごの中ではポピュラーな品種で、青森県ではふじに次いで2番目の生産量です。
果肉はやや固めで、梨に近い食感です。

果汁が豊富で酸味はほとんど無く、甘みがあります。
独特の爽やかな香りがあり、ヨーグルトの酸味と良く合います。

 

りんごの栄養と効能


ヨーロッパでは四千年以上前から栽培が始まり、「1日1個のりんごは医者知らず」という諺があるほどに薬効の高い果物です。
また、中医薬学においても、渇きを癒し、肺を潤して咳を止める、消化を促進するとされます。
風邪をひいた時にすり下ろしたりんごを食べる民間療法は、理にかなっていると言えますね。

りんごポリフェノール

りんごの優れた健康効果のひとつが、ポリフェノールによる抗酸化作用。
生活習慣病の予防やアンチエイジングに効果が期待できます。

りんごポリフェノールは、りんごに含まれる数種類のポリフェノールの総称です。
その6割を占めているのが「プロシアニジン」。
カテキンがいくつかつながった構造をしていて、様々なポリフェノールの中でも特に強い抗酸化力を持ちます。
皮にも果肉にも多く含まれています。

一方、赤い色素のアントシアニンは皮に含まれているので、皮ごと食べればりんごポリフェノールを効率よく摂ることができます。
ポリフェノールは熱に弱いので、生で食べるのがおすすめです。

食物繊維

りんごには不溶性と水溶性の食物繊維がバランス良く含まれていて、優れた整腸作用をもちます。

不溶性食物繊維のセルロースやレグナンは、腸で水分を吸収してふくらみ、ぜん動運動を活発にして便通を促します。

水溶性食物繊維のペクチンは、便秘・下痢の改善に役立ちます。
腸内でゲル化し、便秘の時には便を包み込んでスムーズに排出させ、下痢の時にはゼリー状の膜になって腸壁を守ってくれます。

また、糖質の吸収を緩やかにして食後の血糖値の急上昇を防ぎ、インスリンの分泌を抑制します。
コレステロールの吸収を抑制するはたらきもあり、生活習慣病の予防に効果が期待できます。
ペクチンは皮に多く含まれるので、皮ごと食べると良いでしょう。

また、加熱すると皮に含まれるプロトペクチン(ペクチンになる前の成分)がペクチンに変化するので、生で食べるよりも多く摂ることができます。

ただし、加熱によりポリフェノールやビタミン類は減少します。
その点を踏まえた上で整腸作用を優先したい場合には、加熱調理がおすすめです。


加熱して美味しく食べるホットアップルジンジャーのレシピも、nominaでは紹介しています。
 

カリウム

りんごは、100g当り120mgとカリウムを豊富に含みます。
カリウムは体内の余分な水分を体外に排出する作用があり、むくみの予防に効果的です。
普段の食生活で塩分の摂り過ぎが気になる方は、食後のデザートやおやつにりんごを取り入れてみてはいかがでしょうか。

有機酸

りんごは、リンゴ酸やクエン酸といった有機酸が豊富です。
リンゴ酸は爽やかな酸味をもち、食品の酸味料としても使われています。
有機酸には、腸内細菌のバランスを整え、大腸の悪玉菌を抑えるはたらきがあります。

またリンゴ酸やクエン酸は、体内でエネルギーを作り出す「クエン酸回路」を回すのに重要です。
私たちは、摂取した糖質や脂質をクエン酸回路でエネルギーに変換することで、体を動かすのに必要な力を得ています。
疲労回復にも役立ちますので、日々の食生活に取り入れれば、活き活きと過ごすことができます。

 

栄養を逃さない食べ方のコツ


私たちの健康をサポートしてくれる栄養素がたっぷり詰まったりんご。
その栄養素を効率良く摂取するためのポイントをご紹介します。

皮ごと食べるスターカット

りんごの食物繊維ペクチンやポリフェノール、ビタミンCやビタミンEは皮にもたくさん含まれています。
これらの栄養素を余すことなく摂るには、皮ごと食べるのが一番です。

そこでおすすめなのが、「スターカット」という切り方。
りんごを横にして、皮のまま薄く輪切りにするカット方法で、切り口の真ん中の芯の部分が星型に見えることからこのように呼ばれます。
この切り方ですと、果肉に対して皮の面積が少ないので、皮の食感があまり気になりません。

また、捨てるところが芯と軸の部分だけなので、生ごみが減って環境にも優しい食べ方です。

参考:一般社団法人青森県りんご対策協議会

カットしたらすぐに食べる

カットしたりんごを置いておくと、切り口が茶色くなってきますよね。
これは、りんごに含まれるポリフェノールが酸化したことによるもので、りんごの他の成分が酸化されないように守るはたらきをしているのです。
茶色くなったということは、ポリフェノールは抗酸化力を使ってしまったことになります。

つまり、体内で抗酸化作用を得るには、色が変わる前に食べるのが効果的ということ。
もし時間を置く場合は、薄い食塩水やレモン水につけると酸化を遅らせることができます。

 

選び方

美味しくりんごを食べるには、選び方にポイントがあります。

美味しいりんごの見分け方

手に取った時にずっしりと重みがあり、皮にハリとツヤがあるもの、軸が太く、干からびていないものを選びましょう。
干からびているものは、鮮度が落ちて水分が抜けていることがあります。
お尻のほうまで全体的に赤くなっているものは、しっかり熟して甘みが強いです。

未熟なものは下のほうが緑色で、酸味が強い傾向があります。
熟したりんごは、皮の上からでも甘い香りが漂います。香りもチェックしてみてください。

りんごのツヤの正体は?

りんごのツヤやべたつきは、ワックスや防虫などの薬剤ではありません。
このツヤの正体は「油上がり」と呼ばれる現象で、りんごに含まれるリノール酸やオレイン酸といった脂肪酸が表面に出てきたもの。
水分の蒸発による乾燥を防ぐはたらきがあります。
熟すと、この現象が見られるので、食べごろのサインともいえます。

りんごの「蜜」って何?

りんごの「蜜」は、糖アルコールのソルビトールがしみ出したもの。
りんごが完熟期になると細胞内の糖が飽和し、細胞の外に溢れ出してくるのです。

見た目が蜂蜜に似ているのでこのように呼ばれますが、実はこの部分はさほど甘くありません。
ソルビトールは口の中に入れると涼やかな甘みを感じますが、砂糖に比べてその甘みは穏やかです。
蜜入りは完熟のサインなので、全体の糖度が高いということになります。

蜜は全ての品種で入るわけではなく、サンふじなどで多く、つがるや王林では入りにくいといわれます。

参考:旬の食材百科

 

保存方法

りんごは乾燥に弱く、温度差のある場所では傷みやすい果物です。
ポリ袋に入れて、冷蔵庫の野菜室に入れましょう。
もしくは1個ずつ新聞紙にくるみ、暖房の効いた室内や日光の当たる場所は避け、冷暗所で保管すれば長持ちします。

りんごは、バナナやキウイなどと同じようにエチレンガスを発生させるため、他の果物や野菜と一緒に保存すると熟成を早めます。

先ほど紹介したような保存方法なら、他への影響は少なくすみます。
未熟の果物をあえて一緒にしておき、熟成を早めるというのも有効です。

 

1日1個のりんごで健やか美人に

りんごは、美味しいだけではなく、健康な体づくりに役立つ栄養成分がぎゅっと詰まっています。
諺どおりの優れた健康効果をもつりんごを日々の食生活に取り入れて、元気とキレイを手に入れましょう。


参考
『もっとからだにおいしい 野菜の便利帳』白鳥 早奈英、板木 利隆 監修
『からだに効く 和の薬膳便利帳』武 鈴子 監修
日本食品標準成分表(七訂) 文部科学省

 

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池田 明日香

この記事を書いた人

池田 明日香

管理栄養士
大学卒業後、管理栄養士として治験コーディネーター業務に携わる。
その後、食品メーカーにて料理教室運営や商品・メニュー開発などに従事し、現在は食と健康関連のコラム執筆、オンラインでのダイエットサポートなどで活動中。
日々の生活に役立ち、キッチンに立つのが楽しくなるような情報をお届けします。

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