公開日:2020-10-14
エネルギー補給の優等生!バナナの嬉しい栄養とは?
スタディー
甘くてふんわりとした食感が美味しいバナナは、幅広い世代に人気のある果物です。
手で簡単に剥くことができる手軽さもあり、朝食や運動前のエネルギー補給として食べている方も多いですよね。
バナナは優秀なエネルギー食であるだけでなく、ビタミンやミネラル、ポリフェノールなども豊富に含まれる栄養価の高い果物なんです。
この記事では、バナナの特徴や栄養、美味しいバナナの選び方や保存方法などをご紹介します。
バナナってどんな果物?
バナナは、バショウ科に属する多年生植物。
高さが10mにもなるので木のように見えますが、これは柔らかい葉が重なり合った茎なんです。
バナナの原産地は東南アジアの熱帯地域で、世界各地で数百種類以上が栽培されていると言われています。
私たちに馴染みがある生食用の品種のほか、加熱調理して主食として食べる調理用のものもあります。
バナナの歴史は古く、紀元前8000年~3000年頃には東南アジアで食べられていたようです。
その後インドや東アフリカなどの地域に伝わり、15世紀に入るとアメリカ大陸へ広まりました。
日本への輸入が正式に開始されたのは明治時代で、台湾からのものでした。
日本で現在流通しているバナナはほとんどが輸入品で、その多くがフィリピン産の「ジャイアント・キャベンディッシュ」という品種です。
他にはエクアドル、台湾などからの輸入があります。輸入品のバナナは緑色の未熟な状態で収穫され、日本に輸送されます。
その後バナナ専用の倉庫で一旦貯蔵され、エチレンガスや温度調整によってある程度追熟されたあと、出荷されます。
流通量は少ないですが、国内でも沖縄県や奄美大島などの暖かい地域で栽培されています。
濃厚で適度な甘みと酸味が特徴の「島バナナ」や、キャベンディッシュの小さい品種の「三尺バナナ」などがあります。
バナナは通年安定して輸入されていますので、旬は無いと言えるでしょう。国産バナナは7~9月の夏場が旬になります。
参考:果物ナビ
バナナの栄養と効能
エネルギーと糖質
バナナは「カロリーが高い」というイメージがあるかもしれませんね。
バナナ1本当り(可食部約100g)のエネルギーは86kcal、糖質は21.4gです。
対して、茶碗一杯分のご飯(150g)のエネルギーは252kcal、糖質は55.2g。5枚切り食パン1枚(80g)のエネルギーは211kcal、糖質は35.5gです。
バナナを主食として食べると考えると、白米や食パンに比べて摂取カロリーを抑えることができますね。
バナナのほかに白米や食パンなどを食べる場合は、量を調整しないとエネルギー過剰となりますので注意が必要です。
ほかの果物と比較するとどうでしょうか。バナナは他の果物に比べると糖質が多く、ややカロリーが高くなります。
バナナに限ったことではありませんが、果物を間食やデザートとして食べる場合は、食べ過ぎに気をつけましょう。
バナナ 86kcal/21.4g
いちご 34kcal/7.1g
りんご 57kcal/14.1g
みかん 45kcal/11.1g
バナナの糖質の特徴とは?
バナナは、でんぷんやブドウ糖、果糖、ショ糖などさまざまな種類の糖質をバランスよく含んでいるのが特徴です。
糖質は種類によって体内で消化吸収される時間が異なるため、バナナの糖質はすぐにエネルギーに変換されるものと、ゆっくりとエネルギーに変わるものがあります。
即効性と持続性を兼ね揃えているため、エネルギー補給にぴったり。皮を剥くだけで食べられるバナナは、時間の無い日の朝食にもおすすめです。
食物繊維とオリゴ糖による整腸効果
「便秘解消にはバナナが効く」というイメージがありますよね。食物繊維とオリゴ糖、この二つがバナナの優れた整腸効果の理由です。
バナナには、100g当り1.1gの食物繊維が含まれています。食物繊維には水溶性と不溶性の2種類があり、バナナに特に多く含まれているのは不溶性食物繊維です。
腸で水分を吸収して膨らんで便のカサを増やし、ぜん動運動を活発にして便通を促します。
また、バナナにはオリゴ糖が多く含まれます。腸内の善玉菌のエサとなってビフィズス菌や乳酸菌などを増やし、腸内環境を整えてくれるのです(※1)。
また、オリゴ糖は消化吸収されにくいため、食物繊維のように腸の不純物を吸着し、体外へと排出するため便秘解消にも役立ちます。
カリウム
バナナには、100g当り360mgとカリウムが豊富に含まれています。
カリウムは体内の余分な水分を体外に排出する作用があり、高血圧やむくみの予防に効果が期待できます(※2)。
カリウムは水に溶け出しやすい栄養素ですが、生で食べるバナナなら損失がありません。普段の食生活で塩分の摂り過ぎが気になる方は、バナナを朝食や間食に取り入れてみては。
ポリフェノール
バナナには、クロロゲンやタンニンなどのポリフェノール類が、果物としては多く含まれています。
熱帯地方のバナナは、強い紫外線から身を守るための物質を備えているのです。
強い抗酸化作用を持つポリフェノールは、活性酸素の害を取り除き、生活習慣病の予防やアンチエイジングに効果が期待できます。
皮を剥いたバナナをしばらく置いておくと、黒ずんでしまいますよね。
これは、バナナが空気に触れるとポリフェノールが酵素によって酸化するため(※3)。
お菓子作りなどに使う際には、ビタミンCが豊富なレモン果汁をかけておくと変色を防ぐことができます。
熟したバナナほどポリフェノール含有量は多くなります。皮の表面に黒い「シュガースポット」が出てきたタイミングで食べるのがおすすめです。
美味しいバナナの選び方
バナナは、完熟度によって味わいが異なります。新鮮なバナナを購入して、食べ頃を見極めて美味しくいただきましょう。
完熟のサインは「シュガースポット」
バナナをしばらく置いておくと、皮の表面に黒い斑点が出てきます。これは「シュガースポット」といい、完熟の目安になります。
熟したバナナは果肉がふんわりと柔らかく、甘みが強くなります。
完熟前のものはやや硬さがあり、酸味を感じることがありますが、全体的に黄色くなっていればシュガースポットが出る前でも適度な甘みがあります。
シュガースポットがバナナ全体に広がり黒っぽくなっているものや、軸が真っ黒になっているものは傷んでいる可能性があります。
購入するときのポイント
お店でバナナを購入する際、すぐに食べたいなら全体的に黄色く色づいているものを選びましょう。
軸の部分が薄い緑色から黄色になっているものは、もう少しでシュガースポットが出てきます。
数日かけて食べたい場合は、バナナの先端と軸の部分が緑色のものを選べば長持ちしますよ。
15℃くらいの常温でしばらく置いておくと、徐々に追熟して黄色くなっていきます。
保存方法
バナナの鮮度を保ちながら保存するには、いくつかポイントがあります。正しい方法で保存すれば長持ちします。
基本は常温で保存
バナナは直射日光の当たらない風通しのいい場所で、14℃~20℃位の常温で保存するのが基本です。未熟な場合は、追熟するのをこのまま待ちます。
バナナスタンドに吊るすと長持ちしますが、スタンドが無ければ山型にして伏せておきましょう。
房のカーブを下にして置くと、重みで下の部分が潰れて傷みが早くなってしまいます。
熟したら冷蔵保存も可能
熟したバナナは、冷蔵庫の野菜室での保存が可能です。
程よい湿度を保ち、冷気が直接当たるのを防ぐために新聞紙で包み、ビニール袋に入れて保存します。熟す前のバナナを入れてしまうと、追熟しないので注意。
南国生まれのバナナは温度が低い環境はあまり適しておらず、冷蔵庫に入れると低温障害を起こして皮が黒ずんでしまうことがあります。
黒くなっても果肉の鮮度はある程度保たれてはいますが、熟したら早めにお召し上がりください。
1日1本のバナナで健やか美人に
バナナには、私たちの健康をサポートしてくれる栄養素がたっぷり詰まっています。
ポリフェノールや食物繊維などが豊富に含まれ、美容に気を使う女性にも嬉しいですよね。忙しくて朝食を食べる習慣がないという方の、朝のエネルギー補給にもおすすめです。
1日1本のバナナで、元気とキレイを手に入れましょう!
参考:
日本食品標準成分表(七訂) 文部科学省
『もっとからだにおいしい 野菜の便利帳』白鳥 早奈英、板木 利隆 監修
Dole「バナナの栄養と機能性」
※1e-ヘルスネット オリゴ糖
※2e-ヘルスネット カリウム
※3農林水産省 消費者の部屋
nominaのSNSをフォローして
最新情報をチェックしよう!