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公開日:2020-10-21

【管理栄養士解説】スタミナアップにおすすめ食品と効果的な食べ方

スタディー

2020年10月21日公開  2024年9月24日更新
 

疲れがとれない、集中力がない、気力があるのに体力がついてこないなど、スタミナ不足で体力が低下した状態です。

原因には栄養不足、運動不足、睡眠不足、加齢など様々な要因が関係しています。

忙しくて疲れがたまっているときは、つい食事がおろそかになりがちです。疲労回復には休養をしっかりととり、食事の量より内容を重視しましょう。

今回は疲労回復に役立つスタミナアップにおすすめ食品や効果的な食べ方を紹介します。
 

スタミナアップにおすすめの食品


 
スタミナアップには、身体を作る食品と疲労回復の効果が期待できる食品をバランスよく摂ることが大切です。

具体的にどんな食品があるのか紹介します。
 

玄米・胚芽米・そば

 
精米度の低い穀物類には、ビタミンB1・ミネラル・食物繊維が豊富に含まれています。

精白米と比べると、玄米にはビタミンB1は5倍も以上多く含まれており、女性や子供に不足しがちな鉄分・食物繊維も豊富です。  

そばはビタミンB1が豊富に含まれているのが特徴です。

乾麺・生めんと様々な種類がありますが、栄養成分を重視するなら生めんの二八そば(そば粉80%)や十割そば(そば粉100%)がおすすめです。

糖質が体内でエネルギーに変換されるためには、ビタミンB1が不可欠です。

玄米や胚芽米・そばに多く含まれるビタミンB2が代謝を高め、スタミナアップに繋がります。
 

良質なたんぱく質(うなぎ・豚肉・かつお)

 
うなぎには良質なたんぱく質をはじめビタミンA・B群が含まれています。

ビタミンB群には疲労回復を促す効果があります。胃腸の粘膜を保護し、消化吸収を助けるムコ多糖体などの成分も含まれており、スタミナ補充に最適な食品です。

豚肉は良質なたんぱく質、豊富なビタミンB1・B2が糖質や脂質の代謝を助け、エネルギー産生に関わることで疲労回復効果が期待できます。

豚肉の中でも脂質が少ないヘルシーな部位のヒレ肉にはB1が多く含まれています。

かつおにも良質なたんぱく質とともにビタミンA・ビタミンB群や鉄分が多く含まれており、疲労回復効果が期待できます。
 

玉ねぎ・にら・にんにくなどの香味野菜

 
玉ねぎやにら、にんにくに含まれる特有の香り成分の硫化アリルはイオウ化合物の一種です。

刺激的な香りが食欲を増進し、ビタミンB1と結合することでアリアチミンという成分となりビタミンB1の吸収率を高めるため、疲労回復効果があります。

硫化アリルは長時間加熱すると硫化アリルの効果が減ってしまうので、生食で食べるか加熱調理はさっと行うことが大切です。

にんにくや玉ねぎは刻んだり、すりおろしてたれに加え、かけたり漬けたりする料理がおすすめです。
 

レモン・梅干し・酢

 
柑橘類や食酢の酸味成分である唾液や胃液の分泌量を増やして、食欲を増進させます。

また、クエン酸はエネルギー代謝を促し、疲労物質の乳酸を分解する働きがあり、疲労回復効果があります。
 

アスパラガス・大豆もやし

アスパラガスや大豆もやしにはアミノ酸の一種のアスパラギン酸が含まれており、疲労物質の乳酸を分解し、新陳代謝を促してたんぱく質の合成を高める働きもあります。

疲労回復や体力増強に役立つ食材です。

 

スタミナアップに効果的な食べ方


 
ここまでスタミナアップにおすすめの食品を紹介しましたが、食べ合わせによって、より効率的に栄養を吸収できます。
 

玄米 × 梅干し

 
糖質を体内でエネルギーに変換するには、補酵素としてビタミンB1が不可欠です。

玄米には糖質のほかにビタミンB1が豊富に含まれているので、糖質代謝を促し疲労回復効果が期待できます。

梅干しのクエン酸もエネルギー代謝に関わるため疲労回復させる効果も期待でき、硫化アリルを含む長ねぎを合わせることでエネルギー代謝を円滑にする働きがあります。

おすすめメニュー 玄米の梅炒飯
フライパンに油を熱し、溶き卵・玄米を入れて炒め、細かく切ったハム・長ねぎを一緒に炒めます。
叩いた梅・しょうゆで調味します。お好みで大葉を散らしてもさっぱりいただけます。

 

豚ヒレ肉 × にんにく

豚ヒレ肉に含まれるビタミンB1は、疲労物質の乳酸を分解して疲労回復を助ける働きがあります。

にんにくに含まれる硫化アリルと一緒にとることで、吸収率が高まります。

またビタミンB1は、水溶性なので過剰に摂取すると体外へ排出してしまいます。

にんにくに含まれる硫化アリルと一緒に摂取することで、脂溶性の物質になり体内に長く留めておけることができます。

おすすめメニュー 豚ヒレ肉のソテーにらダレがけ
にら・長ねぎ・にんにくは細かく刻み、ポン酢しょうゆ・砂糖・ラー油・いりごまを合わせて特製にらたれを作り、フライパンで焼いた豚ヒレ肉にかけていただきます。

 

かつお × ねぎ × にんにく

かつおに含まれるビタミンB1は疲労物質の乳酸を分解して疲労回復を助ける働きがあります。

ねぎ・にんにくに含まれる硫化アリルと一緒にとることで吸収率が高まります。

硫化アリルは細胞を壊すことで発生するので、すりおろしたり刻んだりして食べると効果的です。

また、かつおの含まれるたんぱく質と長ねぎのビタミンCの組み合わせで免疫力のアップを期待できます。

おすすめメニュー かつおの薬味たっぷりたたき
ねぎ・にんにく・みょうがなどの薬味をたっぷりつけて、かつおをいただきます。

 

アスパラガス × 鶏ささみ

アスパラガスに含まれるアスパラギン酸とビタミンB6を多く含む(まぐろ・鶏肉)を一緒に摂ることでエネルギー代謝が高まります。

アスパラガスは油でさっと炒めることでアスパラギン酸の損失が少なくなります。

おすすめメニュー アスパラガスと鶏ささみのオイスター炒め
フライパンに油を熱し、一口大に切ったささみ・アスパラガスを炒め、合わせ調味料(オイスターソース・しょうゆ・砂糖・酒)を加えて炒め合わせていただきます。

 

スタミナアップの食事で疲れ知らずの体に


 
日々忙しい生活をしていると、不規則な食生活や炭水化物に偏った食事になってしまい、スタミナをつけるための食事に欠かせないビタミンB1不足になることで、エネルギーを体の中で充分に作れなくなります。

少量でもいいので、体力の維持・回復のためには良質なたんぱく質・ビタミンB1・硫化アリル・クエン酸・アスパラギン酸を含む食品を意識して食事に取り入れることで代謝を高め、疲れにくい体を作ります。

また食材の選び方や食べ合わせを意識することで、より効率的に摂取できます。

食材を上手に組み合わせて疲れ知らずの体を手に入れましょう。
 

参考
*食材の栄養素を最大限に引き出す便利帳 永岡書店
*からだにおいしい キッチン栄養学 高橋書店
*やさしい解説でよくわかる 栄養の基本と食事の教科書 池田書店
*おいしく健康をつくる あたらしい栄養学 高橋書店
*一生役立つ きちんとわかる栄養学 株式会社西東社

 

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この記事を書いた人

小川 寿美

管理栄養士・フードコーディネーター
大学卒業後、コンビニ商品開発業務に携わる。その後写真スタジオの管理栄養士兼フードコーディネーターとして書籍・広告、レシピ提案、スタイリング、栄養計算など多岐にわたり活躍。現在フリーの管理栄養士・フードコーディネーターとして活動中。2人の男の子のママとして育児経験を活かした簡単で栄養バランスのとれた家庭料理が得意とする。

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