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公開日:2024-03-31

キャベツは天然の胃薬?栄養と薬効から選び方など基本を解説【管理栄養士執筆】

スタディー

2020年3月18日公開  2024年3月31日更新
 

キャベツは、通年スーパーで手に取ることができ、クセのない味わいで食べやすく、私たちの生活に身近な野菜の一つですよね。

甘く柔らかい春キャベツが出回るシーズンを、楽しみにしている方も多いのではないでしょうか。

キャベツはおいしいだけではなく、古くからその薬効が知られ、人々の健康維持に利用されてきました。

この記事では、キャベツの栄養と薬効について、種類やおいしいキャベツの選び方、保存方法と合わせて紹介します。
 

キャベツの種類


 
キャベツは、ブロッコリーやカリフラワーなどと同じアブラナ科の野菜です。
原産地はヨーロッパで、日本に入ってきたのは江戸時代頃とされています。

食用として栽培されるようになったのは明治時代以降で、戦後洋食文化の普及とともに広く食べられるようになりました。

キャベツは栽培される季節によって品種が異なります。

通年手に取ることができますが、それぞれの特徴に合わせた調理法を使い分ければ、よりおいしく食べることができますね。
 

キャベツの収穫時期

 

春キャベツ(3月~5月)
主な産地…千葉、愛知、神奈川

 
秋に種をまいて春に収穫されます。
葉の巻きがふんわりとして緩く、丸い形をしています。

葉は黄緑色で、柔らかくみずみずしいのでサラダなどの生食に向きます。
 

▽春キャベツを美味しく食べるレシピはこちら▽


 
高原キャベツ(6月~9月)
主な産地…群馬、長野、北海道

 
春に種をまいて、夏から秋にかけて収穫されます。
長野の野辺山や群馬の嬬恋などの寒冷地が主な産地です。

春キャベツと寒玉キャベツの中間のような特徴をもちます。
 

寒玉キャベツ(11月~2月)
主な産地…千葉、愛知、神奈川

 
夏に種をまいて冬に収穫されます。
春キャベツに比べて固く結球し重量感があり、形は扁平です。

葉の内部は白く、食感は硬め。
煮崩れしにくく、加熱すると甘みが増すのでロールキャベツやポトフなどの煮込み料理に向いています。
 

芽キャベツ

 
直径3~4cmほどのミニキャベツです。

普通のキャベツとは種類が異なり、葉の付け根部分の「わき芽」が結球したものを収穫します。

1株に50個以上の実ができるため「子持ちキャベツ」とも呼ばれます。

固くてほんのり苦味があるため、煮込みや炒め物など加熱調理が向いています。
 

紫キャベツ

 
一般的なキャベツに比べてやや小ぶりで、葉が鮮やかな赤紫色をしています。
この紫色はアントシアニン色素によるもので、強い抗酸化作用をもちます。

葉は厚みがあり、少し苦みを感じます。

酸性のものに触れると色鮮やかになるので、サラダにする時は酢やレモン汁をかけると良いでしょう。
 

キャベツの栄養と効能


 
キャベツの薬効は古くから知られ、古代エジプト時代には万病に効く薬として用いられていました。

薬膳では、胃の働きを整える、熱を冷ます、腎機能を補い体内の余分な水分の排泄を促す、止血や痛み止めといった薬効があるとされています。
 

ビタミンU

 
ビタミンUは、正式にはビタミンとは認められていませんが、ビタミンに近い働きをするとされています。

キャベツから発見されたことから別名「キャベジン」とも呼ばれ、胃腸薬の商品名にもなっています。

ビタミンUは、傷ついた胃粘膜の再生を促し、炎症を治癒する働きがあります。

また胃酸の過剰な分泌を抑えるので、胃腸粘膜の負担を軽減します。
胃潰瘍、十二指腸潰瘍、胃炎、胃もたれといった症状の緩和に効果が期待できます。
 

とんかつなどの揚げ物には、キャベツの千切りが添えられていますね。
この組み合わせは、美味しいだけでなく、脂による胸焼けを防ぐといった点でも理にかなっているのです。

また、アレルギー反応や炎症の原因となる化合物、ヒスタミンの遊離を抑え、アレルギー症状を緩和するといった作用も報告されています。

ビタミンUは熱に弱いので、生で食べるのがおすすめ。加熱調理の場合は、スープにして汁ごと飲めば溶けだした栄養素を余すことなく摂取できます。
 

ビタミンC

 
キャベツ(生)は100g当り41mgのビタミンCが含まれます。

これは淡色野菜の中ではトップクラスの含有量で、真ん中辺りの葉2枚で1日に必要とされる量の約40%を摂取することができます。

ちなみに、芽キャベツには100g当り160mgと、普通のキャベツの約4倍も含まれます(※1)。

ビタミンCは抗酸化作用をもち、活性酸素の害から細胞や組織を守る働きがあります。

老化の防止や、過酸化脂質の生成を抑えることで動脈硬化などの心臓血管系の病気のリスク軽減に効果が期待できます。

また、ビタミンCは皮膚や軟骨などの結合組織を構成するコラーゲンの合成に不可欠です。美肌や強い骨を保つのに役立ちます。

さらに、抗ストレス作用をもつ副腎皮質ホルモンの合成を促進するため、ストレスを和らげてくれます。

ビタミンCは体に貯めておけないので、こまめに摂るのが大切です。

キャベツの外葉や芯の部分にも多く含まれますので、細かく刻んでスープや炒め物に入れて捨てずに活用しましょう。
 

ビタミンK

 
ビタミンKは、葉野菜や納豆などに多く含まれます。
体内では腸内細菌によって作られるので、不足の心配は少ない栄養素です。

血液の凝固に関わるので「止血ビタミン」とも呼ばれます。
血液凝固因子プロトロンビンの生成に関わり、ケガや内出血をした時に出血を止める働きがあります。

また、腸から吸収されたカルシウムが骨に沈着する際に必要なたんぱく質を活性化させる作用があるため、骨粗しょう症の治療薬としても利用されています。

腸でのカルシウム吸収を助けるビタミンDとともに、丈夫な骨をつくるために不可欠なビタミンです。
 

葉酸

 
葉酸はビタミンB群の一種で、ビタミンB12とともに赤血球を作るのに必要なビタミンのため「造血ビタミン」とも呼ばれます。

また、胎児の神経管閉鎖障害を予防し、正常な発育のために重要な栄養素です。
妊娠を希望する女性、妊娠初期の女性は積極的に摂ることが勧められています。

キャベツの葉酸の含有量は、100g当り78μgです。
ほうれん草などの緑黄色野菜に比べて少ないですが、葉酸は水に溶けやすい性質をもちます。

そのため、茹でずに生で食べられるキャベツは効率よく摂取できる食材といえますね。
 

カリウム

 
キャベツには、100g当り200mgのカリウムが含まれています。
これは、きゅうりやトマトなどの野菜と同程度の含有量です。

カリウムは、体内の余分な水分を排出する働きがあるため、むくみの解消に役立ちます。

味の濃い食事をする際には、千切りキャベツを添えるのがおすすめです。

カリウムは水に溶けやすい性質をもつため、スープも良いでしょう。香味野菜やスパイス、トマトなどの酸味を効かせて、塩分は控えめに。
 

選び方


 
キャベツは、外の葉の状態が鮮度の目安になります。鮮やかな緑色で、ツヤとハリのあるものを選びましょう。

芯の切り口が新しく、太すぎないかもチェックポイントです。芯が成長しすぎると、固くなり苦みも出てきます。
 

春キャベツ

 
春キャベツは巻きがゆるいものが良いでしょう。触った感触が柔らかく、弾力のあるものを選びましょう。
 

寒玉キャベツ

 
冬場は葉の間に隙間が無く、巻きがしっかりと詰まっているものが美味しいキャベツです。ずっしりと重みを感じるものを選びましょう。

*参考元:旬の食材百科 キャベツの選び方と保存方法や料理
 

保存方法

キャベツの保存方法
 
キャベツは芯の部分から傷みはじめます。

芯の部分をくり抜き、そのくり抜いた穴に水を含ませたペーパータオルを詰め、ビニール袋に入れて冷蔵庫の野菜室で保存しましょう。

芯から水分補給され、みずみずしい状態が保たれます。雑菌の繁殖を防ぐため、ペーパータオルは2~3日で交換を。

使うときは、外側の葉から1枚ずつ剥がせば長持ちします。

カットする場合は、切り口がなるべく空気に触れないようにぴったりとラップで包みます。

使いきれない場合は、冷凍保存も可能です。
ざく切りや千切りなど用途に応じてカットし、冷凍用保存袋に入れればOK。

解凍後は少ししんなりした食感になるので、コールスローサラダなどにしたり、加熱調理で使ったりするのがおすすめです。
 

▽冷凍保存の詳しい方法はこちら▽


 

毎日の食卓にキャベツを

 
キャベツには、ビタミンUをはじめ、私たちの健康をサポートしてくれる栄養素が豊富に含まれます。

年間を通して比較的安価で、手に取りやすいのも魅力ですね。

生でも、煮込んでも、炒めても美味しいキャベツを、季節に応じた調理法で日々の食卓に取り入れてみてはいかがでしょうか。


参考元:
※1 カロリーSlim 芽キャベツ
*『もっとからだにおいしい 野菜の便利帳』白鳥 早奈英、板木 利隆 監修
*『からだに効く 和の薬膳便利帳』武 鈴子 監修
*日本食品標準成分表(七訂) 文部科学省

 
 

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この記事を書いた人

池田 明日香

管理栄養士
大学卒業後、管理栄養士として治験コーディネーター業務に携わる。
その後、食品メーカーにて料理教室運営や商品・メニュー開発などに従事し、現在は食と健康関連のコラム執筆、オンラインでのダイエットサポートなどで活動中。
日々の生活に役立ち、キッチンに立つのが楽しくなるような情報をお届けします。

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