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2020-01-23更新

お疲れ気味の胃腸に優しい♪大根の栄養と効能

スタディー

大根は、春の七草のひとつ「すずしろ」としても知られ、昔から日本人にとって馴染み深い野菜です。その歴史は古く、「古事記」に大根の文字を含む歌があることから、奈良時代には中国より日本に伝わっていたと考えられています。

この記事では、大根の栄養と効能、美味しい大根の選び方などをご紹介します。
 

大根の種類

大根はアブラナ科ダイコン属に分類されます。原産地は諸説あり、地中海沿岸や中央アジア、中国などとされています。
全国的に広く出回っている青首大根は、品種改良が進み1年中店頭で見かけますが、多く出回るのは10~3月です。本来の旬、寒い季節の大根はみずみずしく、甘みがあります。春から夏にかけては辛みが強くなります。
 

青首大根

国内で最も多く流通している品種で、大根全体の生産量の9割を占めます。「青首」という名のとおり首の周りが緑色をしていて、太さが均一で細長い形が特徴です。愛知県春日井群宮重を中心に育成されたことから、別名「宮重大根」とも呼ばれます。柔らかくて甘く、みずみずしいので、煮物やサラダなど様々な料理に使うことができます。
 

三浦大根

青首大根に対して、首まで白色をしている白首系大根です。千葉県三浦半島の特産で広く市場に出回っていましたが、昭和54年の台風被害をきっかけに短期間で収穫が可能な青首系大根への転換が進み、現在の生産量はごく僅かになっています。中央が太いのが特徴で、食感が柔らかいけれど煮崩れしにくいため煮物などに向きます。
 

聖護院大根

代表的な京野菜で、1kg以上もある大型の丸大根です。京都の南部、淀で栽培されていることから「淀大根」とも呼ばれます。とても柔らかい肉質ですが煮崩れしにくく、ふろふき大根やおでんに向いています。水分が多いため大根おろしには不向きです。
 

辛味大根

普通の大根より辛みが強い大根の総称で、古くから栽培されている「親田辛味大根」や「ねずみ大根」、赤色をした「からいね大根 赤」といった品種があります。小ぶりで水分が少なく、主に大根おろしとして食べます。水分が少ないので、蕎麦やうどんの薬味とするとつゆが薄まらず、最後まで美味しく食べることができます。
 

ラディッシュ

20日程度で収穫できるため、別名「二十日大根」とも呼ばれます。明治以降にヨーロッパより導入された、10~15g、直径2cmほど丸形のミニ大根です。柔らかく生食に向いています。
 

大根の栄養と効能

大根の根は淡色野菜、葉は緑黄色野菜です。根を食べる野菜ですが、葉も栄養価に優れています。葉付きの大根を見かけたら是非手に取ってみてください。

また、大根は中医学では様々な薬効があるとされています。そのひとつが、喉の痛みを改善し、咳を止め、痰を出しやすくするというもの。
昔から、喉の辛い症状が出た時、大根をはちみつに漬けた汁を飲む民間療法がありますね。

はちみつ大根のレシピはこちら
 

消化酵素

客を呼べない役者を「大根役者」といいますが、これは大根をいくら食べても「当たらない」から。中医学では、胃腸を丈夫にして消化を助け、食中毒を防ぐ薬効があるとされています。

大根には数種類の消化酵素が含まれ、食べ物の消化をサポートしてくれます。
アミラーゼは、でんぷんを分解する酵素。ご飯や餅、パスタ、うどんなどの炭水化物を含む食品の消化を助け、胃もたれや胸やけの予防に役立ちます。
他にも、タンパク質分解酵素のプロテアーゼ、脂肪分解酵素のリパーゼ、発がん物質を抑制するとされるオキシターゼなどが含まれます。
これらの酵素は熱に弱いので、生で摂るのが効果的。大根おろしを餅に絡める、うどんにトッピングする、焼き魚に添えるといった食べ方は理にかなっていますね。
 

辛み成分イソチオシアネート

大根の独特の辛みは「イソチオシアネート」という成分によるもの。大根をすり下ろす、切るなどして細胞が壊れると生成されます。殺菌・抗菌作用があり、刺身のつまは食中毒の予防に役立ちます。

大根は、場所によって辛さに違いがありますよね。これは、イソチオシアネートの含有量が場所によって違うためです。根の先端に近づくほど多く、葉に近い部分は少なくなります。辛さの好みに合わせて場所を選ぶと良いでしょう。
また、イソチオシアネートは揮発性のため、ピリッとした辛さが欲しい場合は食べる直前にすり下ろすのがおすすめです。
 

栄養素が凝縮される切り干し大根

大根には、カルシウムやカリウムといったミネラルが含まれます。大根は90%以上が水分ですが、天日干しして乾燥させた切り干し大根は水分が10%以下にまで減り、その分栄養素がぎゅっと凝縮されます。
切干大根はカルシウムが摂れる植物性食品として優れていて、切干大根1食分(15g)で50mgのカルシウムを補給することができます。

これは、牛乳コップ1杯分200mlの1/4程度に相当します。特に女性は、年齢を重ねると骨粗しょう症のリスクが高まりますので上手に活用したいですね。
食物繊維も豊富なので、便秘解消にも効果的です。
 

葉は栄養たっぷりの緑黄色野菜

大根の葉は、βカロテン、ビタミンC、葉酸といったビタミン類や、カルシウム、カリウム、鉄などのミネラルが豊富に含まれる緑黄色野菜です。
βカロテンやビタミンCは抗酸化作用をもち、生活習慣病の予防やアンチエイジング効果が期待できます。

鉄の多い野菜といえば、ほうれん草が思い浮かびますよね。100g当りの鉄の含有量は、ほうれん草(通年平均)が2.0mgに対して大根の葉が3.1mgと、大根の葉の方が多く含まれます。

冬場の旬の時期ですと、立派な葉が付いた大根が店頭に並んでいることがあります。また、「大根葉」として売られていることもあります。栄養たっぷりの葉も、捨てずに活用しましょう。
刻んで塩もみしておけば漬物として食べられますし、青菜の感覚で味噌汁やスープに入れてさっと火を通せば、簡単に栄養も彩りもプラスできます。ごま油で炒めてじゃこと合わせ、ふりかけにしても美味しいですよ。
 

選び方

美味しい大根の選び方にはポイントがあります。

色が白く、触れると硬く張りとツヤがあるもの、真っ直ぐで太いものを選びましょう。持った時に重みを感じるものは、水分が多くみずみずしい大根です。水の管理などがしっかりした良い環境で栽培されたものは、ひげ根の毛穴の数が少なくて浅く、表面が滑らかです。
二股、三股と変形しているものは、土の状態が万全でない時になりやすいといわれていますので、避けましょう。

葉付きのものは、葉がピンと張って鮮やかな緑色をしているものが良いでしょう。
葉を切り落としているものは、切り口の状態で鮮度を見分けることができます。乾燥しているもの、ス(白いスジ)が入っているものは鮮度が落ちています。

カットされている場合は、断面がみずみずしく、きめが細かいものを選びましょう。切り口にスが入っているものは、水分が抜けて鮮度が落ちています。
 

保存方法

大根は、きちんと保存すれば長く美味しさを保つことができます。

葉付きの場合は、葉を根元の部分から切り落とします。そのままにしておくと、葉から水分が抜けてしなびやすくなります。

葉の部分は、根本にキッチンペーパーを巻いてビニール袋に入れ、冷蔵庫の野菜室で立てて保存すれば長持ちします。新鮮なうちに固めに茹でて水気を絞り、細かく刻んで冷凍保存すれば、青みが欲しい時にすぐに使えて便利です。

根の部分は、乾燥を防ぐのが長持ちさせるポイント。ラップに包むか濡れた新聞紙にくるみ、ビニール袋に入れて冷蔵庫の野菜室で保存しましょう。
大きい大根は、葉に近い部分、中央部分、先端部分の3つに切り分けておくと、料理によって使い分けができるので便利です。
甘みが強くシャキッとした食感の葉に近い部分はサラダや漬物に、甘みと辛みのバランスが良く柔らかい中央部分は煮物に、辛みが強く水分が少ない根元は大根おろしに向いています。

参考:旬の食材百科
 

大根を美味しく食べて健康に

和食に欠かせない食材の大根には、私たちの健康をサポートしてくれる栄養素がたくさん含まれています。暴飲暴食が続いて胃腸がお疲れ気味…そんなときは、普段の食事に大根おろしを添えるのを習慣にしてみてはいかがでしょうか。

参考:
『もっとからだにおいしい 野菜の便利帳』白鳥 早奈英、板木 利隆 監修
『からだに効く 和の薬膳便利帳』武 鈴子 監修
日本食品標準成分表(七訂) 文部科学省

 
 

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池田 明日香

この記事を書いた人

池田 明日香

管理栄養士
大学卒業後、管理栄養士として治験コーディネーター業務に携わる。
その後、食品メーカーにて料理教室運営や商品・メニュー開発などに従事し、現在は食と健康関連のコラム執筆、オンラインでのダイエットサポートなどで活動中。
日々の生活に役立ち、キッチンに立つのが楽しくなるような情報をお届けします。

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