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まいにちの野菜を、もっとしあわせに。

公開日:2021-11-14

規格外品を当たり前に!楽しみながらフードロス問題に取り組む高校生

インタビュー

 
みなさんはフードロス問題をご存知ですか?

日本では年間推計600万トンもの「食べられるのに廃棄される食品」があり、国民一人当たりに換算すると、毎日お茶碗1杯分ほどの量が捨てられていると言われています。
日本政府は2030年までにフードロスを半減させる目標を立てており、消費者庁や環境省では、企業や団体、個人でできることから始めてみましょうと呼びかけています。

  • 賞味期限・消費期限の近い食材から購入し使い切る
  • 賞味期限が多少切れていても使い切る
  • 食べ切れる分だけ購入する
  • すぐに食べ切れない場合は、冷凍して長期保存する

 
例えば上記のようなことは、誰しもができるようなフードロスの取り組み。
しかし、それが意外と難しく、私たちの意識から変えていかないといけないのが現状ではないでしょうか。

もっと身近で、楽しめるようなフードロスの取り組みができたら一番いいですよね。

そんな中、高校生が学園祭を通してフードロス問題の解決に取り組むということで、nomina編集部もお話を伺ってきました!

意識していてもなかなか行動に移すのが難しい問題ですが、自分たちができる範囲で工夫しながらフードロス問題に取り組む高校生たちの姿をお届けします。
 

三田国際学園の教育方針

 
今回お邪魔したのは、東京都用賀にある三田国際学園中学校・高等学校。
そこで10月30、31日に行われた学園祭にて、規格外野菜を使って手作りジュースを販売した有志団体「Wastes Tastes」の活動を見せていただきました。
 

しかしなぜ、高校生がフードロスという社会問題に取り組んでいるのか気になるところ。
そこでまず、学校の教育方針を探ってみました。
 

三田国際学園の教育

 
三田国際学園は、孔子の教え「知好楽」を教育理念に、自分の可能性を最大限に広げ、自ら変化を起こせる人を育てる教育方針。

「相互通行型授業」という、先生が問いかけたことに対して、生徒自身で調べ考えてから、グループで話し合い、クラス全体で発表するといった授業方法なのだとか。

先生が話して黒板に書いたことをノートに写し、知識を覚えるといった、私たちが想像するような授業はほとんどないのだそう。
まさに、これからの多様性の時代に必要な人材が育つ環境の学校だと感じます。
 

生徒達自身で考え活動する有志団体


 
多種多様な学びが受けられる三田国際学園では、さまざまな社会問題について触れる機会も多くあるのだそう。

そういった授業を受けている生徒たちは、自分自身で社会問題に取り組むため、有志団体を作り、精力的に活動をしていました。

中学・高等学校には珍しい有志団体の活動ですが、学内の団体数は多く、それぞれの活動は部活動と同じくらい盛んなのだそうです。
 

フードロス問題について取り組む有志団体「Wastes Tastes」


有志団体「Wastes Tastes」のメインメンバー4人と顧問の鈴木先生。
 

数ある有志団体の中でも、今年5月に結成された「Wastes Tastes」は、フードロスについて取り組んでいる団体。
Wastes Tastesの代表でもあり、発案者の高田隆成さんから、今回の取り組みについてお話しを伺いました。
 

三田国際学園に通う高校2年生の高田さん。10ヶ月のカナダ留学中に社会問題に沿った活動がしたいと、友達と二人で立ち上げたのが始まり。現在はメンバー4人で活動。
 

高田さんはもともと学園祭で、生徒が楽しめるようなジューススタンドをやりたいと考えていたそう。

そんな中、ジュースを販売するだけではなく、社会問題にも沿った活動がしたいと考えていたときに、規格外野菜やフードロス問題にたどり着いたと言います。

ただ楽しませるためにジューススタンドを出店するのではなく、世界で問題になっている課題を見つけ、ジューススタンドを通して解決しようとする姿が、とてもキラキラしていました。
 

フードロス、規格外品に対する思い

団体名「Wastes Tastes」は、廃棄されてしまう規格外品(Wastes)を高品質の味(Tastes)に変えて、おいしく食べてもらいたいという思いから、メンバー4人で考案。

規格外野菜をジュースにしておいしく飲むことができれば、規格外品についての悪いイメージを変えられて、もっと多くの人に知ってもらえるのではないかと考えたのだそうです。

規格外野菜について身近なことから体験し、感じ、知ってもらうことで、難しい社会問題のイメージまでも変えていきたいと高田さんは語ります。

みんなで楽しみながら社会問題に取り組むという方法は、これからの世界で必要な考え方であると感じるとともに、三田国際学園の生徒さんならではの発想だなと感じます。

高田さんや他メンバーの、フードロスや規格外品に対する強い思いが伝わってきました。
 

「規格外野菜」を広めるために工夫したこと


 
ジューススタンドを出店するにあたり、一番力を入れたことは、規格外野菜を広め、興味を持ってもらうこと。
そのために、企業とのタイアップやLINE公式アカウントを活用しました。

規格外野菜を仕入れるため、初めは農家さんと直接契約することも考えましたが、規格外野菜を多く取り扱っている企業とタイアップすることで、より多くの人に知ってもらえるのではないかと考えたそう。

学園祭に来たお客さんが、実際に規格外野菜を手に取る機会を作るため、農家さんから直接購入することのできるサービスunica(ウニカ)の利用を決めたと言います。

規格外野菜・果物に特化したオンラインファーマーズマーケットunica

そしてLINE公式アカウントを開設し、ジュースの注文と呼び出しができるシステムを自分たちで一から作り、規格外野菜を知ってもらえるよう企業の紹介ページを載せました。
 

購入したいジュースの画像下にある「Apply for Buy」ボタンを押すと、注文が入る仕組み。 画面下のメニューバーには、注文メニュー、unicaの紹介ページ、開発者紹介ページにアクセスできるようになっている。
 

新型コロナ感染防止にも配慮したシステム作りから、ジューススタンドを盛り上げるフードトラックの使用、おしゃれで再利用できるボトルを利用しての販売など、規格外野菜を広めるためのさまざまな工夫がされていました。
  

規格外品を食べるのが当たり前の世界を目指して


 
実際に規格外野菜を見たとき、高田さんは思っていた以上にきれいで驚いたそう。

大きさが違ったりするだけで、規格外になってしまうのがすごくもったいないと思うほどきれい。また農家さんが丹精を込めて育てた野菜や果物は、規格外品でも新鮮で味もおいしいと語ります。

規格外野菜とは、形が歪だったり、大きく傷がついていたり、大きさが販売規格に合っていないなどの理由で、食べることができても出荷することができずに廃棄されてしまう野菜のこと。

大きさや形の違いは臨機応変に対応できれば難しい問題はないにも関わらず、規格外品になってしまったことで廃棄されてしまうのはもったいない、多くの人に規格外野菜の悪いイメージを捨てて欲しいと言います。

有志団体Wastes Tastesは、規格外野菜を多くの人に知ってもらい、規格外品を食べるのが当たり前の世界を作ることで、食料廃棄ゼロを目標としています。
 

nominaが提供したレシピ紹介


 
ジュースをたくさんの人に買ってもらえるようジューススタンドを手伝ってくれる60名のスタッフに、飲みたいものを事前にアンケートを取り、人気の高かったスムージーとソーダ系でメニュー選びを進めました。
 

味にムラができないよう、2回にわたって試作。2回目の試作は高田さんのご両親の協力のもと行われ、高田さんの思い入れと力の入れようが伝わってくる。
 

そこから、旬の果物を使ったり、学生も手に取りやすい値段を意識したりしながら、りんごソーダ、いちごソーダ、ジンジャエール、いちごバナナスムージー、りんごヨーグルトスムージーの全5種類を販売。

nominaからは、いちごバナナスムージーと、ジンジャエール用のジンジャーシロップの
レシピを提供し、微力ながらお手伝いさせていただきました!


 

一番人気だったジュースは、なんとnominaが提供したいちごバナナスムージー!
nominaスタッフが購入しようとしたら、すでに売り切れていました。
 

 
おいしすぎてもう一杯買いにきたというお客さんもいるほど大盛況!
Wastes Tastes代表の高田さんは、予想外の売り上げで、もっとたくさん仕入れて販売すればよかったと言っていました。
 

フードロス削減を目指して私たちができること

 
みんなが楽しめるジューススタンドの出店を通して、フードロスという社会問題にも取り組む高田さんたちの想いや姿を見て学ぶことが多くありました。

フードロス削減に対して、肩の力を抜いてもっと楽しく活動していくことで、より多くの人に長く取り組んでもらえるのではないかと、改めて気づくことができました!

世界にいる一人一人が楽しみながらフードロス問題を解決していけば、有志団体Wastes Tastesが目標としている食料廃棄ゼロの世界にも近づけていけるのではないでしょうか。

 
 

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この記事を書いた人

nomina編集部

「もったいない野菜でおいしく健康に」をテーマに、ドリンクレシピや野菜の知識などをお届けします。

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