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公開日:2020-04-15

春の定番野菜のアスパラガス!健康と美容の強い味方

スタディー

アスパラガスは1780年代に観賞用として伝わり、野菜としての栽培は1871年に北海道で始まったとされています。
現在市場に出回っている品種は、グリーンアスパラガス、ホワイトアスパラガス、ミニアスパラガス、パープルアスパラガスの4種類があります。

近年は栄養価や味が優れていることから、日本ではグリーンアスパラガスが主流です。
また、最近はミニアスパラガスもスーパーでよく見かけられるようになり、見た目にも可愛くお弁当に入れられることから人気が集まっています。
ほかにもホワイトアスパラガスは特有の甘味とほろ苦さがあり、世界中で広く親しまれています。

今回は、アスパラガスの栄養素やおすすめの食べ方についてご紹介します。

 

アスパラガスの栄養成分

ビタミンA(βーカロテン)

アスパラガスには、100gあたり31μg(レチノール当量)のビタミンAが含まれています。
ビタミンAは、動物性食品に含まれるレチノールとアスパラガスなどの植物性食品に含まれるカロテノイド(β‐カロテンなど)があります。
目や皮膚、粘膜などの健康を保ち、風邪などの感染症予防や免疫力の増強に役立っています。

ほかにもβ‐カロテンには老化やがん予防に有効な抗酸化作用があります。
また、骨の発育や歯の形成にも重要なので、妊婦や子供の成長期には欠かすことができない栄養素です。

魚介類やレバーなどに含まれるビタミンA(レチノール)は動物性食品に多く、どのような食べ方をしても体内でよく吸収されます。
一方、アスパラガスのような緑黄色野菜に含まれるビタミンA(β‐カロテン)は、腸管での吸収が低く、動物性食品によく含まれるレチノールに比べると1/3程度になります。

サプリメントなどによる過剰摂取することで、頭痛や脱毛、筋肉痛などの症状が出ることがあるので注意が必要です。

ビタミンC

アスパラガス100gあたり15mg含まれています。
ビタミンCは水溶性のビタミンで水に溶けやすく熱に弱いうえ、酸化しやすい成分です。
アスパラガスはビタミンCが豊富ですが、新鮮なうちに利用し、加熱調理は短時間で行いましょう。

ビタミンCはコラーゲンの生成を助け、健康的な皮膚や血管、筋肉などを作ることに役立っています。
また強い抗酸化作用をもち、LDLコレステロール(悪玉)の酸化を防いで血管疾患を予防する働きもあります。
ほかにも、ホルモンの合成促進、鉄の吸収促進と様々な働きをする成分です。

ビタミンCが不足すると疲れやすくなったり、免疫力が低下して風邪などの感染症にかかりやすくなります。
通常の食事で摂りすぎるということはありませんが、サプリメントで多量に摂取すると下痢になることがあるので注意が必要です。

ビタミンE

アスパラガス100gあたり1.5mg含まれています。
ビタミンEは脂溶性ビタミンで、細胞膜に多く存在しています。

強い抗酸化作用で過酸化脂質ができるのを防ぎ、細胞の老化防止に働くほか、毛細血管を広げて血行をよくする働きもあります。
ほかにも性ホルモンの生成などにも関与しており、生殖機能の維持にも働きます。

脂溶性ビタミンの中では過剰摂取による弊害が少ない栄養素です。
反対に、不足すると赤血球の細胞膜が酸化して壊され、溶血性貧血を起こすことがあります。
またLDLコレステロール(悪玉)が酸化されやすくなり、動脈硬化の老化のリスクが高まります。

葉酸

アスパラガス100gあたり190μg含まれています。
葉酸はビタミンB群に分類される水溶性ビタミンです。

ビタミンCと同様に水に溶けやすく熱に弱いうえ、酸化しやすい成分です。
新鮮なうちに利用し、加熱調理は短時間で行いましょう。

葉酸は、遺伝子情報をもつDNAの合成に関わり、細胞の生成に重要な役割を担っています。
胎児の発育にも必要で、妊娠の可能性がある女性や妊婦さんにとって重要な栄養素です。

ほかにも新たな赤血球が作り出される際に必須の成分で、造血ビタミンとも言われています。

また葉酸にはビタミンB₁₂と一緒に働き、貧血予防する効果があります。
不足すると正常な赤血球が減り、悪性貧血やめまい、口内炎など起こすことがあります。

妊娠初期に葉酸が不足すると、胎児の神経管の発達に影響を及ぼし、神経管閉鎖障害という先天性異常が起こることがあります。

アスパラギン酸

アスパラガス100gあたり430mg含まれています。
アミノ酸の一種であるアスパラギン酸はアスパラガスの穂先に多く含まれます。

疲労原因となる乳酸を分解し、新陳代謝を高めて疲労回復や体力アップに役立ちます。
利尿作用もあるので、体内バランスを整えてくれます。
 

グリーンアスパラガスのおすすめの食べ方

免疫力向上におすすめの食べ方

ビタミンA(β‐カロテン)、ビタミンC、ビタミンEといったビタミン類とアミノ酸をバランスよく含むアスパラガスは、免疫力向上にもってこいの野菜です。
ビタミンA(β‐カロテン)とビタミンEは脂溶性ビタミンのため、油と合わせた調理にすることで吸収率が高まります。

そんなアスパラガスに合わせる食材は、きのこがおすすめです。
きのこに多く含まれる食物繊維の一種のβ-グルカンは免疫力アップ、抗ウィルス効果などが期待される成分です。

「彩り野菜ときのこのマリネ」

アスパラガスやパプリカ、きのこは食べやすい大きさに切ってトースター(又はグリル)で焼き、マリネ液に漬ける料理がおすすめです。

肌荒れ(しみ・そばかす)・アンチエイジングにおすすめの食べ方

アスパラガスに含まれるビタミンCは肌にハリや潤いを与え、紫外線によって増える皮膚の表面のメラニン色素沈着を防ぎ、シミやそばかすを防ぎます。
またアスパラガスのビタミンEは細胞の老化を防ぐ効果があります。

アンチエイジングには、ビタミンA・C・Eの豊富なアスパラガスと、たんぱく質・ビタミンB₂を含む豚肉の組み合わせがおすすめです。
豚肉に含まれるたんぱく質は、肌をみずみずしく保つ働きがあります。
その他に、ビタミンB₂にも皮膚の新陳代謝を促す働きがあります。

「アスパラガスの豚肉巻き」

アスパラガスを豚肉で巻いて焼き、ポン酢しょうゆをかけていただく料理がおすすめです。
アスパラガスだけではなく、その他のビタミンA・C・Eが豊富な緑黄色野菜(かぼちゃ・人参など)も豚肉で巻いて一緒に食べるとさらに抗酸化作用が期待できます。

貧血予防におすすめの食べ方

貧血を緩和・解消するためには鉄分やたんぱく質の摂取が重要です。
アスパラガスのビタミンCには鉄の吸収をよくして、ヘモグロビンの合成を助ける働きがあります。
酢や柑橘類の酸味、香辛料によって胃酸の分泌をさせ、鉄の吸収を高めることもできます。

また、無理なダイエットなどを行うと、鉄・ビタミンB₁₂・葉酸が不足し、鉄欠乏性貧血や巨赤芽球性貧血がおこることもあります。

アスパラガスに含まれる葉酸がビタミンB₁₂と一緒に働いて貧血予防する効果があるので、ダイエットの際には積極的に取り入れたい食材です。

「アスパラガスとアサリの酒蒸し」

アスパラガスに多く含むビタミンC・葉酸と、あさりに多く含む鉄・ビタミンB₁₂の組み合わせがおすすめです。

アスパラガスは食べやすい大きさに切り、あさりとさっと炒めてから酒を振って蓋をして蒸し、仕上げにしょうゆとレモン汁(柑橘類)で味付けした料理がいいでしょう。

 

毎日の健康と美容のためアスパラガスをぜひ食べましょう

食感と旨みで料理を引き立てたり、女性に嬉しい効果のある栄養素を含んだアスパラガスはどんな料理にも合う万能野菜です。
相乗効果のある食材との組み合わせで、毎日の健康と美容のために日々の食事に取り入れてアスパラガス料理を楽しみましょう。

参考
*文部科学省 日本食品標準成分表2015年版(七訂)
*食材の栄養素を最大限に引き出す便利帳 永岡書店
*おししく健康をつくる あたらしい栄養学 高橋書店
*食品成分最新ガイド 栄養素の通になる第4版 女子栄養出版部
*からだにおいしい キッチン栄養学 高橋書店

 

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この記事を書いた人

小川 寿美

管理栄養士・フードコーディネーター
大学卒業後、コンビニ商品開発業務に携わる。その後写真スタジオの管理栄養士兼フードコーディネーターとして書籍・広告、レシピ提案、スタイリング、栄養計算など多岐にわたり活躍。現在フリーの管理栄養士・フードコーディネーターとして活動中。2人の男の子のママとして育児経験を活かした簡単で栄養バランスのとれた家庭料理が得意とする。

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