公開日:2023-11-26
ピーマンの5倍!?乳児から大人まで食べたいパプリカの栄養素まとめ【管理栄養士監修】
スタディー
公開日:2019年6月12日 更新日:2023年11月26日
スーパーの野菜売り場の中で、ひときわ華やかな色合いの野菜といえば、パプリカですよね。
実はパプリカはピーマンよりも多く含まれているビタミンやミネラルがあり、赤ちゃんから大人までぜひとも食べてもらいたい優秀な野菜なのです!
今回はパプリカとピーマンの違いや、パプリカの栄養素と効果効能、おいしいパプリカの選び方と保存方法を紹介します。
目次
パプリカとピーマンの違い
パプリカとピーマンは、どちらもナス科のトウガラシ属の植物です。
「トウガラシ」と聞くと辛いイメージがありますが、パプリカやピーマンは「辛くない大粒のトウガラシ」といえます。
そしてピーマンといえば緑色ですが、これは未成熟な状態で収穫されたものです。
そのピーマンを収穫せず完熟させていくと、緑色から黄色、オレンジ、そして赤色へと色づいていきます。
これが「カラーピーマン」と呼ばれるものです。
パプリカは、カラーピーマンの中で大型の肉厚な品種のものを指します。
パプリカはピーマンよりも栄養価が高い!
パプリカはピーマンに比べて完熟するまでに時間がかかる分、お日様をたくさん浴びて成長するので栄養がとても豊富です。
またピーマンやパプリカに含まれるビタミンによって、加熱調理しても栄養を損なわずにおいしく食べられるのは嬉しいですね。
ここからは、赤パプリカ、黄パプリカ、ピーマンの代表的な栄養素を比較してみましょう。
※可食部100g分は、パプリカ約1個分、ピーマン約2.5個分が目安です。
ビタミンA
ビタミンAには動物性食品に含まれるレチノールと、緑黄色野菜に含まれているカロテン(ビタミンAの効果が最も高いのはβ-カロテン)があります。
レチノールを含む代表的な食材は、鶏・豚レバー、うなぎ、乳製品、卵などです。
一方のβ-カロテンは、パプリカとピーマン以外に、にんじん、かぼちゃなどの緑黄色野菜に多く含まれており、油と調理することで栄養効率が上がります。
ビタミンAは脂溶性ビタミンで、体内に蓄積しやすく、過剰摂取すると害があるため、食事摂取基準ではRAE(レチノール活性当量)の上限値(耐容上限量)が定められています。
特にうなぎや鶏レバーなどはRAEの数値が高いため、食べる量には気を付けましょう。
- のどや鼻などの粘膜や皮膚を丈夫にする
- 視力を正常に保つ
- 免疫力の向上
- 抗酸化作用による老化防止
- 生活習慣病予防
ビタミンC
ビタミンCはほとんどの野菜や果物に含まれていて、日本人は摂取量の約2/3を、野菜から摂っているといわれています。
水溶性であるビタミンCは、過剰摂取をしても排泄されるため、ほぼ心配はありません。
水と熱に弱いビタミンCは、サラダなど生で食べるか、煮汁をスープにして丸ごと食べるのが効率的です。
しかしパプリカは、厚みのある果肉が加熱時のビタミンCの流出を防いでくれるともいわれているので、炒め物にするのもおすすめですよ。
その場合は加熱しすぎず、さっと火を通す程度でOKです。
ビタミンCが特に多い食材は、アセロラやグァバなどの果実類、ピーマンやめキャベツ、ブロッコリーなどの野菜や、ジャガイモなどのいも類、緑茶に多く含まれています。
また、旬の野菜には通常に比べてビタミンCの含有量がアップするので、パプリカも含め旬野菜も積極的に食べていきましょう。
- 美白効果
- 皮膚や血管などの形成を助けるコラーゲンの生成の手助け
- ストレスの軽減
- 鉄の吸収率をあげる
- 免疫力の向上
- 抗酸化作用による、動脈硬化や心疾患の予防
ビタミンE
体内に活性酸素が増えると、肌荒れやしびれ、知覚異常などの神経症状、細胞の老化による生活習慣病のリスクが高くなるといわれています。
そんな中「若返りのビタミン」と呼ばれているビタミンEは、油と一緒に摂取すると吸収率がアップし、ビタミンA、Cとあわせて摂取することにより、抗酸化作用を高めます。
摂取するにあたり、通常の食事の範囲内であれば過剰摂取になることはほとんどありませんが、サプリメントなどで極端に摂取してしまうと、軽度の肝障害、吐き気、下痢、筋力低下などを発症する可能性があるので気をつけましょう。
ビタミンEは、パプリカやピーマンといった緑黄色野菜をはじめ、アーモンドなどのナッツ類、ひまわり油やべにばな油などの胚芽油、ウナギなどの魚介類、大豆、穀類などに多く含まれています。
- 手足の血流の改善が期待できる
- ホルモンの分泌が円滑になる
- 動脈硬化や老化を進行させる過酸化脂質の生成の抑制
- エイジングケア効果
葉酸
細胞分裂が活発である赤ちゃんのためにも、特に妊娠期や授乳期のお母さんにとって、葉酸は必要不可欠な栄養素とされています。
また妊娠中に限らず、授乳期の貧血対策や生理痛の改善など、女性にうれしい効果がたくさんあります。
もちろん男性も葉酸を摂取することで、妊娠する確率が上がる効果や、精子の奇形予防効果が期待できます。
通常の食事量・栄養が保たれている場合、葉酸による直接的な健康被害はないとされています。
しかしビタミンB12が体内で不足しがちな人が、サプリなどで葉酸を過剰摂取してしまうと、ビタミンB12が欠乏による大赤血球性貧血の発見が遅れる可能性があるので注意しましょう。
葉酸は緑黄色野菜、肉類、卵黄、牛乳、豆類などの食品に多く含まれていて、ビタミンC同様、水や熱に弱いので、サラダなど生で食べるか、煮汁をスープにして丸ごと食べるのが効率的です。
- 冷え性、生理痛の改善
- 妊娠中や産後の授乳期に起こりやすい貧血の予防
- 認知症の予防
- うつ病、更年期障害の症状緩和
- ビタミンB12とともに、「造血ビタミン」として赤血球の生産を助ける
- DNAの核酸合成や細胞分裂・増殖の促進
- 骨粗しょう症、動脈硬化の原因物質を減少
赤色パプリカ
赤パプリカの特徴は、抗酸化作用や新陳代謝の活性化の効果があります。
緑黄色野菜や、黄色・オレンジ・赤色のフルーツに含まれるカロテノイドという天然色素成分で、抗酸化作用があります。
赤パプリカはそのカロテノイドの中でも、特に抗酸化作用が強いキサントフィルという成分が豊富に含まれています。
また赤パプリカには、その赤色が赤唐辛子に含まれているカプサイシンの色素と同じなのですが、辛みを感じることなく血行促進や脂肪燃焼効果を得られ、疲労回復や冷え性などに効果的です。
黄色パプリカ
黄パプリカの特徴は、パプリカの中でも特に美容効果が高いところです。
というのも、黄パプリカには肌の老化予防が期待されるルテインの含有量が高く、ビタミンCと合わせることで、肌の健康と美白効果が期待できます。
また、黄パプリカは目の疲労回復効果が期待され、スマホやパソコンから出るブルーライトから目を守る働きをしてくれます。
パプリカの選び方・保存方法
おいしいパプリカの選び方
パプリカによっては、輸入されてから時間が経っているものも見かけますので、鮮度の良いものを選びましょう。
- 軸の切り口がまだ新しい
- 表面にハリとツヤがある
- 持った時に重みがあり、肉厚で弾力のあるもの
- 軸の切り口が茶色く変色したり干からびている
- 柔らかかったり、しわっぽくなっているもの
*参考元:旬の野菜百科 ピーマン・パプリカの選び方と保存方法、食べ方
【大人用】パプリカの保存方法
そのままの保存の場合は、乾燥しないようにビニールかポリ袋に入れて野菜室で保存しましょう。
カットした場合は、水気をしっかり切ってから保存袋やタッパーに保存してください。
冷凍したパプリカは、1ヶ月を目安に使い切るようにしましょう。
また、パプリカは冷凍すると食感と味が落ちてしまうため、生ではなく加熱調理してから食べましょう。
冷凍保存するときは、ポタージュ用など、作りたいレシピ用に食材をカットしてから、冷凍用の保存袋などに入れて保存するのもおすすめです。
(じゃがいもは皮をむいて加熱済みで、パプリカの薄皮はむいてあります。パプリカの薄皮のむき方はこの後紹介します)
事前に下ごしらえが済んでいると、食べたいときにパッと作れるのは嬉しいですね。
【離乳食用】パプリカの保存方法
離乳食中期の生後7〜8ヶ月頃から、パプリカを食べられます。
下ごしらえとして、パプリカのワタと種、そして1歳ころまでは薄皮も取りましょう。
パプリカの薄皮を手軽にむく方法として、電子レンジを使うのがおすすめです!
- ワタと種を取り除いたパプリカをラップに包み、電子レンジ1分ほど加熱する
- 全体的に果肉が柔らかくなったら冷水に入れ、薄皮をむく
薄皮がむけたら、赤ちゃんの食べやすい大きさにカットしたりすりつぶしてから、1食分ずつ小分けにして冷凍し、1週間で使い切るようにしましょう。
注意点として、食べ物である以上はアレルギー症状が出ることもあり、パプリカでもアレルギー反応が出ることがまれにあるようです。
はじめて赤ちゃんにパプリカを食べさせるときは、少量から気をつけてあげましょう。
▽詳しいパプリカの離乳食下処理方法はこちら▽
パプリカをもっと食べよう!
パプリカは、ピーマンに比べて甘みがあるので、ピーマンの苦みが苦手なお子さんにも食べやすい野菜です。
さらに、ピーマンよりも栄養価が高く彩りもいいので、ピーマンの代わりとして使うのもいいですね。
色とりどりのパプリカを、家族みんなでおいしく食べましょう!
参考元:
*光生館 日本人の食事摂取基準(2020年版)(概要)含有量
※文部科学省 日本食品標準成分表(八訂)増補2023年
▽パプリカやピーマンの下処理・切り方はこちら▽
▽パプリカを使ったレシピ▽
nominaでは、ほかにもパプリカを使ったレシピをたくさん紹介しています。ぜひ検索してみてください!
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当ページ監修 管理栄養士プロフィール
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当ページ監修 管理栄養士プロフィール
片村 優美
管理栄養士
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2004年、国公立大学卒業後、管理栄養士免許取得。
その後約7年間病院に勤務し、栄養指導や給食管理に従事した。私たちの体は食べたものから作られていることを基本に、普段の食事やバランスの良い食生活を習慣化することの大切さを伝える。
また、間違った情報も多い中で、何が本当かわからなくなることも多い世の中。
間違った情報はときに健康を害してしまうこともあるので、科学的根拠のある情報を慎重に選んで正確に伝えるよう心掛けている。≪主な実績≫ 日本テレビOha4!NEWS LIVE、読売新聞、女性セブン、女性自身
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