公開日:2020-12-16
ダイエットに役立つって本当?さつまいもの栄養と嬉しい効果
スタディー
ホクホクした食感と自然な甘みがおいしいさつまいもは、秋の訪れを感じる旬の味覚の一つですよね。
最近では、特に甘みが強く蜜が入った安納芋や紅はるかといった品種の焼き芋がブームになり、注目度が高まっている食材です。
そんなさつまいもには、スムーズなダイエットに役立つ、嬉しい栄養素が含まれています。どのような効果があるのか、詳しく解説しますのでぜひ参考にしてみてくださいね。
さつまいもがダイエットに役立つ理由
食物繊維が豊富
【100g当りの食物繊維】
・皮むき…2.2g
・皮つき…2.8g
■腸内環境を整え、便秘解消に役だつ
さつまいも(皮むき)には、100g当り2.2gと食物繊維が豊富に含まれていて、優れた整腸作用をもちます。
特にセルロースなどの不溶性食物繊維が多く、腸で水分を吸収してふくらみ、ぜん動運動を活発にして便通を促す作用をもちます。
食物繊維は、腸内の善玉菌のエサとなって腸内環境の改善に役立ちますので、毎日の食事で積極的に取りいれることで腸の健康維持につながりますよ(※1)。
■血糖値の上昇が緩やか
ダイエット中は食後の血糖値を急激に上げないことが大切です。
食物繊維の多い食べ物は、糖質の吸収が緩やかで食後の血糖値の上昇もゆっくりです。
そのため血液中の糖を脂肪に変えて蓄積する「インスリン」の分泌が抑制され、体脂肪がつきにくくなります。
■腹持ちが良い
食物繊維の多いさつまいもは、消化・吸収に時間がかかり、腹持ちがいい食品です。
空腹感を感じにくくなるため、食べ過ぎの予防に役立ちます。甘いものが欲しいときは、お菓子の代わりにさつまいもがおすすめですよ。
できれば皮つきで食べたほうが、より多く食物繊維を摂ることができます。
カリウムがむくみを軽減
ダイエットの大敵といえば、身体のむくみ。
むくみをそのままにしておくと身体の循環が低下してしまい、うまく栄養素や酸素を届けることができなくなります。
すると、代謝が低下して栄養素がエネルギーにならず、蓄積されてしまうので太りやすくなってしまいます。
さつまいもは、100g当り480mgとカリウムを豊富に含みます。カリウムは体内の余分な水分を体外に排出する作用があるため、むくみの予防に効果的です。
むくみが解消されれば見た目にもスッキリしてきますよ。
抗酸化作用が美肌をサポート
せっかくダイエットに取り組むなら、きれいなお肌も手に入れたいですよね。
美肌のために大切なことの一つが、抗酸化作用をもつ食べ物を取り入れて、身体の中から酸化を予防すること。
さつまいもには、100g当り29mgのビタミンCが含まれています。
熱に弱く壊れやすい栄養素ですが、さつまいもの場合はでんぷん質が膜を作ってビタミンCを守るため、加熱調理でも損失が少ないという特徴があります。
ビタミンCは強い抗酸化作用をもち、活性酸素の害から細胞や組織を守り、老化の予防に役立ちます(※2)。
また、コラーゲンを合成する時にも必要不可欠な栄養素です。肌にハリや弾力を与えてシワやたるみを防ぐ効果が期待できますよ。
ビタミンCと同様に抗酸化作用をもつビタミンEや、さつまいもの皮の色素「アントシアニン」も美肌をサポートしてくれます。
さつまいものカロリーと糖質
甘くておいしいさつまいもは糖質が多いイメージがありますよね。白飯と比較してみましょう。
【さつまいも(皮むき)100g当りのエネルギーと糖質】
・エネルギー 134kcal
・糖質 29.7g
【白飯100g当りのエネルギーと糖質】
・エネルギー 168kcal
・糖質 36.8g
さつまいもは100g当り140kcal程度で、白飯と比較すると少しカロリーが控えめですが大きな差はありません。
注目していただきたいのは糖質の量です。食物繊維の多いさつまいもは、白飯に比べて糖質量が少なくなっています。
おすすめの取り入れ方
一般的な「さつまいもダイエット」は、主食を糖質が少ないさつまいもに置き換えることが多いようですね。
しかし、甘いさつまいもは主菜・副菜と組み合わせにくいのがデメリット。
さつまいも単品になると炭水化物に偏ってしまうので、おすすめできません。
主食として置き換えるなら朝食がおすすめ。ヨーグルトと一緒に食べたり、卵料理を組み合わせたりすることで栄養バランスを整えましょう。
取り入れやすいのは、間食のタイミングです。
シンプルな焼きいもやふかし芋で、バターなどの調味料はできるだけ使わないで食べましょう。素材の甘さで、十分満足感を得られるはずですよ。
間食は1日200kcalまでが目安です。さつまいもなら約1/2本(150g弱)がこのカロリーに該当しますので、これ以上は食べないように注意してくださいね。
■炊飯器で簡単に作れるふかし芋のレシピはこちら
炊飯器で炊くだけ!ねっとりあま〜いふかし芋を作ろう
また、おかずやスープに具材として取り入れるのもおすすめです。その場合は、一口大のさつまいも1個につきご飯を一口分減らして、主食の食べる量を調整しましょう。
■さつまいもをおかずに!炒めものレシピはこちら
秋の夜長に!おつまみにぴったりなさつまいもと豚肉の甘辛炒め
ダイエット効果を発揮させるポイント
■皮ごと食べる
さつまいもは、皮つきのほうが食物繊維を多く摂れますので、食感が気にならなければぜひ皮ごと食べてください。
また、さつまいもを切ると粘りのある白い液体が出てくることがありますが、これはさつまいも特有の「ヤラピン」という物質です。
ヤラピンは糖脂質の仲間で、腸のぜん動運動を促進するとして昔から便秘薬として使われていたようです。
ヤラピンは皮やその周辺に多く含まれていて、熱に強い性質を持つため加熱調理をしても変質しないという嬉しい特徴があります。
さつまいもが便秘解消に役立つと言われるのは、食物繊維とヤラピンの相乗効果によるもののようですね。
さらに、皮の色素成分「アントシアニン」の抗酸化作用により、アンチエイジング効果も期待できますよ。
■冷やして食べる
さつまいもを冷やすと、でんぷんの一部が「レジスタントスターチ」という消化吸収されにくい成分に変化します。このレジスタントスターチは消化されずに大腸まで届き、食物繊維のように腸内環境を整えたり、血糖値の上昇を緩やかにしたりする効果が期待できます。
アツアツの焼き芋はとてもおいしいですが、冷やした焼き芋もまた違ったおいしさがあります。
こちらの冷凍焼き芋は、まるでアイスクリームのような滑らかな食感を楽しむことができますよ。
冬の新定番スイーツに!?ひんやり甘〜い「冷凍焼き芋」を作ろう
さつまいもを味方にして健やか美人に
自然な甘みがおいしいさつまいもは、ダイエット中の甘いものへの欲求を罪悪感なく解消してくれる、心強い味方になります。
食べ過ぎに気をつけて上手に取り入れれば、ストレスフリーで、身体の内側から健やか美人に導いてくれますよ。
最近はスーパーでも様々な種類のさつまいもを手に取ることができますので、色々と食べ比べてお気に入りを探してみてくださいね。
参考:
※1e-ヘルスネット,腸内細菌と健康
※2e-ヘルスネット,抗酸化ビタミン
『もっとからだにおいしい 野菜の便利帳』白鳥 早奈英、板木 利隆 監修
日本食品標準成分表(七訂) 文部科学省
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