公開日:2020-03-04
冬の定番野菜の白菜!栄養豊富で低カロリーの優秀野菜
スタディー
冬の定番野菜の白菜。
旬の今は霜降り白菜とも言われ、甘味が増しおいしさは格別です。カロリーも低く栄養も豊富なヘルシー野菜として、とても人気な野菜です。
白菜の成分の95%は水分ですが、ビタミンCやカリウムなどが豊富に含まれています。
近年人気を呼んでいるのはミニ白菜!
核家族が多くなり、なかなか1個を食べきるのが難しい現代の生活に合わせて、新鮮なうちに食べきれる1㎏程度の白菜が開発されています。
鍋やサラダ、漬物、スープ、炒め物にと冬の食卓に大活躍!
今回は、意外と知られていない白菜の栄養素や食べ合わせ、保存の仕方についてご紹介します。
目次
白菜の栄養
ビタミンC
白菜100g当たり19mg含まれています。
ビタミンCは水溶性のビタミンで水に溶けやすく熱に弱いうえ、酸化しやすい成分です。
ビタミンCを多く含む白菜は、新鮮なうちに利用し、加熱調理は短時間で行いましょう。
ビタミンCはコラーゲンの生成を助け、健康的な皮膚や血管、筋肉などを作ることに役立っています。
また強い抗酸化作用をもち、LDLコレステロール(悪玉)の酸化を防いで血管疾患を予防する働きもあります。
他にもホルモンの合成促進、鉄の吸収促進と様々な働きをする成分です。
カリウム
白菜100g当たり220g含まれています。
カリウムは塩分として体内に過剰に入ってきたナトリウムを排出する作用があります。ナトリウムの摂りすぎによる高血圧予防のためには積極的に摂りたい栄養素です。
また、筋肉の収縮を正常に行ったり、血圧を安定させたり、骨粗しょう症を防いだりする働きがあります。
カルシウム
白菜100g当たり43mg含まれています。
カルシウムはリンやマグネシウム、ナトリウムとともに骨や歯を作るだけでなく、成長ホルモンの分泌や血液の凝固などにもかかわります。
他にも、筋肉の収縮や神経の刺激、細胞間の情報伝達など体の様々な機能の調節に働いています。
長く不足状態が続くと、不足を補うために骨から溶け出したカルシウムが血管などに付着して、動脈硬化や高血圧の原因にもなることがあります。
子供の成長・発育に欠かせない栄養素で、高齢者でも骨粗しょう症を予防する重要なミネラルです。
食物繊維
白菜100g当たり1.3g含まれています。
食物繊維は人体では消化できない炭水化物です。
以前は、無益な成分とみなされていましたが、近年さまざまな生理作用・機能があきらかにされ、注目されています。
水溶性と不溶性に分けられ、水溶性食物繊維は消化管内で水分を吸って膨張し、小腸で糖と消化酵素を接しにくくさせて血糖値の上昇を抑えます。
またコレステロールの吸収も抑えて体外に排出しやすくする働きがあります。
不溶性食物繊維は消化管を通過する時間を短縮させます。便の硬さを増加させ、腸を刺激して便の排泄を促す作用があります。
近年はサプリメントが普及しており、過剰に摂取すると下痢を起こし腸内での栄養素の吸収を妨げることがあるので注意が必要です。
白菜の効能とおすすめの食べ方
風邪予防 おすすめの食べ方
風邪予防には規則正しい生活や十分な睡眠が重要ですが、それに加えて食事では免疫力を高める食材を摂ることが重要です。
白菜には免疫力を高めるビタミンCが多く含まれています。
他の食材では、たらや木綿豆腐などのたんぱく質も同様に免疫力をあげる食材です。
にんにくやねぎなどに含まれるアリシンも血行を促し、体内循環を良くすることで免疫力を高めてくれるので、たら、木綿豆腐、長ねぎ、白菜、にんにくを使った鍋料理が風邪予防におすすめです。
白菜のビタミンCは水に溶けやすく熱に弱いので、仕上げにさっと加えて火を通し、鍋のスープごと頂くようにしましょう。
高血圧予防 おすすめの食べ方
健康な日本人の成人男女が目標とすべき1日の食塩摂取量は男性で8g未満・女性で7g未満とされていますが、最近の調査では平均2g程度上回っている状況です。
また高血圧になっている方は1日6g未満を推奨されています。
高血圧はナトリウムとカリウムのバランスが重要です。ナトリウムの摂りすぎが原因で高血圧になることを予防するには、カリウムの充分な摂取が有効とされています。
減塩の食事ともに白菜に多く含まれるカリウムを積極的に摂取することが大切です。
他にもカリウムが多い食材は、ほうれん草やバナナ、りんご、里芋などです。
酢や柑橘類の酸味、ハーブ、スパイス、香味野菜を上手に取り入れることでおいしく減塩できます。
また麺類の汁を全部飲まないようし、味噌汁は汁を減らして具を多くするなどの工夫でかなりの効果が期待できます。
むくみ予防 おすすめの食べ方
むくみは血液中の水分が浸みだして回収されず、血管外の水分量が増えた状態のことです。
運動不足、リンパの流れが悪い、塩分のとりすぎなどが原因で起こります。
白菜に多く含まれるカリウムには余分なナトリウムの排出を助ける働きがあります。
水溶性のため、ゆでたりせずサラダにして食べましょう。
サラダには血流をよくするビタミンEを含むアーモンドを合わせるとさらにむくみ解消効果が期待できます。
または、カリウムは水溶性で水に溶けやすいので煮汁も一緒に飲むスープなどの料理もおすすめです。
骨粗鬆症症予防 おすすめの食べ方
骨粗鬆症は骨がスカスカになり骨折しやすくなります。
無理なダイエットや運動不足、日々の食事からのカルシウム不足が影響します。
また、加齢に伴い骨量が減少して特に女性においては、閉経に伴い骨量が減少しやすくなります。
白菜には意外にもカルシウムは多く含まれています。
干ししいたけなどに含まれるビタミンDと一緒に摂るとカルシウムの吸収が高まるので、八宝菜などにしていただくと効率よくカルシウムを摂取できます。
他にも納豆やモロヘイヤ、ほうれん草などに多く含まれるビタミンKと一緒に摂取するとカルシウムが骨に沈着するのを助ける働きがあるので、白菜と一緒に献立に取り入れるなどして工夫しましょう。
参考:骨粗鬆症の予防のための食生活e-ヘルスネット (厚生労働省)
肥満予防 おすすめの食べ方
白菜は低カロリーで食物繊維が豊富なため、ダイエット中の人や便秘がちな人にはおすすめ食材です。
食物繊維は消化管通過時間を短縮させるため、脂質の吸収を抑えることができます。
揚物などと一緒に食べるときは、白菜の他にも食物繊維が豊富なえのきだけやブロッコリー、おからなどを一緒の献立に取り入れましょう。
白菜の選び方と保存方法
白菜丸のままの選び方と保存方法
白菜を丸ごと買うときの一番のポイントは外側の葉の色!
葉がきれいな緑色でイキイキして、まるごと持ったときにずっしりと重いものが良質です。
重いものはまきがしっかりしていて葉が詰まっている証拠です。また、根元部分の切り口がみずみずしいものが新鮮です。
白菜は買ってきてからも成長する野菜なので、軸の切り口に包丁で繊維に沿うように切り込みを何度か入れておくことで成長を抑えることができます。
丸のまま白菜を保存する場合は全体を新聞紙で包み立てた状態で冷暗所に置き、外側の葉から使うと長持ちします。
カット白菜の選び方と保存方法
カットされたものを選ぶ際は、切口がみずみずしく、葉が隙間なく詰まったものを選びましょう。
中の葉先まで白い物より、黄色みを帯びているものの方がおいしいです。
断面が盛り上がっているものは時間がたっている証拠なので要注意!
葉が枯れてしなしなになったものは刻んで煮込み料理に使うようにしましょう。
カットしたものを保存する場合はラップで全体をしっかり包み冷蔵庫で保存します。
冷凍保存の仕方
ゆでたものを1cm幅に切り、水気を軽く絞ってラップに包み、ジップ付き袋に入れて冷凍保存しましょう。
葉の部分を細切りにして塩もみをして同様に冷凍保存も可能です。
この方法で1ヶ月程度は保存が可能です。
冷凍した白菜は、凍ったままお味噌汁や煮物などに加えるのがおすすめです。
参考:旬食材百科
知っておきたい野菜の基本 株式会社えい出版社
栄養たっぷり白菜で冬を乗り切りましょう
今が旬の白菜には以外にもビタミンC、カリウム、カルシウム、食物繊維を含まれており、風邪予防・むくみ予防・高血圧予防、骨粗鬆症予防、肥満予防など様々な効能があります。
甘味が増して今が旬の白菜を相乗効果のある食材との組み合わせも意識しつつ、日々の食事に取り入れて健康的に過ごしましょう。
参考:
文部科学省 日本食品標準成分表2015年版(七訂)
食材の栄養素を最大限に引き出す便利帳 永岡書店
おししく健康をつくる あたらしい栄養学 高橋書店
食品成分最新ガイド 栄養素の通になる第4版 女子栄養出版部
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