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公開日:2019-06-24

95%が水分!?夏バテ対策におすすめなみょうがの栄養&効能とは

スタディー

 
季節が夏になるにつれて、そうめんや冷奴などサッパリした料理が食べたくなりますよね。

そんなときに使う定番の薬味の1つであるみょうがですが、みょうがにはどんな栄養&効能があるかご存知ですか?

今回はみょうがの栄養&効能に加え、おいしいみょうがの選び方&保存方法をご紹介します。
 

みょうが(茗荷)の実態に迫る!

よく見るみょうがは土から出てくる蕾!?

 
スーパーでよく見かけるほんのり赤いあのみょうがですが、どのように生えてくるか知っていますか?

実はみょうがは、夏~秋にかけて土からひょこっと顔を出すように生えてくる花の蕾なのです。

もちろん蕾であるため、そのまま放置すると白い花を咲かせますが、その頃には味が落ちてしまうので、土の表面から顔を出し始めたら収穫のサインです。

ちなみに、みょうがは自家栽培する方が多い野菜です。病害虫被害がなく、日当たりが悪い場所でもOKかつほとんど手をかけずに毎年収穫できるので、栽培初心者の方にもオススメですよ。
 

みょうがの旬は夏~秋

 
みょうがは通年流通していますが、6月~10月頃が旬と言われています。

その中でも、夏に採れるものを「夏みょうが」、秋に採れるものを「秋みょうが」と呼び、特に秋みょうがの方が粒が大きく味・香りが良いです。

そして、秋みょうがの茎が成長し、柔らかくなったものが「みょうがだけ」と呼ばれ、こちらは3~5月が旬となります。
 

みょうがとしょうがの違いとは

 
「みょうが」と「しょうが」は、どちらもショウガ科ショウガ属で、香りの強い順に「兄香(せのか)」「妹香(めのか)」と呼ばれていたのが、のちに「しょうが」「みょうが」となったと言われています。

ちなみに、みょうがは日本以外に中国・韓国・台湾の一部で栽培されていますが、あくまで生薬としてであって、食用で栽培・認知されているのは日本だけだそうです。

そのためか、みょうがを英語でいうと和名と同じ”Myoga”か”Japanese Ginger”と呼ばれています。
 

みょうがの代表的な栄養・成分


 
みょうがは成分の9割以上が水分のため、カロリーが可食部100g(みょうが約6個分)に対して12kcalと低いのが特徴です。

そんなみょうがの代表的な栄養&効能を他の夏野菜(トマト、ピーマン、きゅうり)と比較しながらご紹介します。

※各食材の可食部100g分は、みょうが約6個分、トマト約小1個分、ピーマン約2個分、きゅうり約1本分が目安です。

表データ参考:
*含有量:文部科学省 食品成分データベース
*食事摂取基準:厚生労働省 日本人の食事摂取基準「日本人の食事摂取基準」(2015年版)

 

ビタミンK


ビタミンKの効果効能
  • 血液を凝固させ止血させる
  • 丈夫な骨をつくる

 
ビタミンKは出血した時に血液を凝固させる成分の合成に必要となります。

また、丈夫な骨をつくるために、骨にあるたんぱく質を活性化し、骨の形成を促すことで健康な骨を維持する働きがあると考えられています。

もしビタミンKが不足してしまうと、内出血や鼻血など出血がしやすくなったり、骨関連では骨粗しょう症の原因にもなります。

ビタミンKが多く含まれる食材は、緑黄色野菜、海藻、豆類、植物油などがありますが、特に群を抜いてビタミンKが多いのは納豆です
 

カリウム


カリウムの効果効能
  • 塩分排出効果
  • むくみ解消
  • 高血圧予防
  • 筋肉の収縮補助
  • 便秘解消

 
食事から塩分を過剰に摂取すると、体内のナトリウムが過剰となり高血圧の一因となりますが、この時にカリウムが十分にあると、余分なナトリウムを排出するため血圧を下げてくれます。

カリウムが多く含まれる食材は、野菜や果物のほか、海藻、イモ類、豆類などです。

高血圧予防のためにも、塩分の多い食事のときは野菜も併せて食べるようにするのがおすすめです。

ちなみにカリウムは野菜全般に多く含まれていますが、熱や水に弱いため、サラダなど生で食べるか味噌汁やスープの具材にして、水に流れやすいカリウムを効率よく摂りましょう。
 

葉酸


葉酸の効果効能
  • 冷え性、生理痛の改善
  • 妊娠中や産後の授乳期に起こりやすい貧血の予防
  • 認知症の予防
  • うつ病、更年期障害の症状緩和
  • ビタミンB12とともに、「造血ビタミン」として赤血球の生産を助ける
  • DNAの核酸合成や細胞分裂・増殖の促進
  • 骨粗しょう症、動脈硬化の原因物質を減少

 
細胞分裂が活発である赤ちゃんのためにも、特に妊娠期や授乳期のお母さんにとって、葉酸は必要不可欠な栄養素とされています。

また妊娠中に限らず、授乳期の貧血対策や生理痛の改善など、女性にうれしい効果がたくさんあります。

もちろん男性も葉酸を摂取することで、妊娠する確率が上がる効果や、精子の奇形予防の効果が期待できると考えられています。

通常の食事量・栄養が保たれている場合、葉酸による直接的な健康被害はないとされています。

しかし、ビタミンB12が体内で不足しがちな人が、サプリなどで葉酸を過剰摂取してしまうと、ビタミンB12が欠乏による大赤血球性貧血の発見が遅れる可能性があるので注意しましょう。

葉酸は緑黄色野菜、肉類、卵黄、牛乳、豆類などの食品に多く含まれています。

葉酸もカリウム同様、水や熱に弱いので、サラダなど生で食べるか、煮汁をスープにして丸ごと食べるのが効率的です。
 

マンガン


マンガンの効果効能
  • 骨や皮膚の形成に関与
  • 糖質、脂質などの代謝
  • 抗酸化作用
  • 神経の機能を正常に保つ
  • 血糖調節に必要なインスリンの合成に関与

 
マンガンは体内の組織や臓器に広く存在し、さまざまな酵素の構成成分になったり、酵素を活性化したりと、結合組織の合成や酸化防止などをはじめとする、体内の成長や代謝に広くかかわっている栄養素です。

不足してしまうと、骨格や生殖機能の異常、骨粗しょう症、肌荒れなどに加え、代謝が悪くなることで、糖尿病や脂質異常症などの生活習慣病を引き起こす原因になります。

マンガンが多く含まれる食材は植物性の食品で、全粒穀類、豆類、ナッツ類、茶葉に多く含まれています。
 

モリブデン


モリブデンの効果効能
  • 貧血予防
  • 食道がんの予防
  • 酸化還元反応に関与
  • 脂質、糖質の代謝に助力
  • 尿酸の代謝に関与
  • 血液の生成に助力、「血のミネラル」とも呼ばれる
  • 酸化酵素の構成成分となる

 
あまり聞き慣れないですが、モリブデンとは、輝水鉛鉱 (きすいえんこう)という鉱石から発見された銀白色の金属です。

このモリブデンは、人間の体内で酵素の構成成分となり、糖質や脂質の代謝を助ける役割を担ってくれる、微量ながらも必要なミネラルです。

モリブデンは過剰摂取をしても尿中に排出されるため過剰症の心配はほとんどありません。

しかし、サプリメントなどで過剰摂取をしてしまうと、高尿酸血症、関節痛、そしてモリブデンと銅は互いを相殺する拮抗作用により銅欠乏症になる可能性があります。

モリブデンを多く含む食材は、レバー、穀類、豆類、大豆製品です。
 

α-ピネン(アルファーピネン)

α-ピネンの効果効能
  • 食欲増進
  • 消化促進
  • 血行促進
  • 新陳代謝量の上昇
  • 夏バテ予防
  • 成人病の予防

 
みょうがの独特の香り成分で、嗅ぐことで眠気覚ましとなり頭がスッキリし、脳の活動が活発になるといわれています。

またみょうがを食べることで、食欲増進、消化促進、血液促進により夏バテにも効果的です。
 

ミョウガジアール

ミョウガジアールの効果効能
  • 抗菌作用
  • 鎮静・鎮痛作用
  • 夏風邪の症状(のどの痛み、口内炎、頭痛など)の症状緩和
  • 血行促進

 
ミョウガジアールはみょうがの辛み成分の1つです。

α-ピネンと同様、血行促進により冷え性の緩和に期待ができます。
 

みょうがの選び方・保存方法

おいしいみょうがの選び方

OK例
  • ふっくらと丸みがあり重量感がある
  • 色つやが良い
  • 実が締まり、先端がしっかり閉じている
NG例
  • 先端に白や黄色の花が出ている
  • 実の締まりがなく、ふかふかしている
  • 軸の白い部分が変色しているもの

 

みょうがの保存方法

 
みょうがは香りと食感を楽しめる薬味の1つです。

しかし、みょうがは乾燥やカットして時間がたつと香りがなくなってしまうので、少量を購入して香りのあるうちに使い切るようにしましょう。

冷蔵の場合
  • カットしたみょうがは、水にさらした状態で冷蔵庫に保存する。
     →2~3日程度
  • 丸のままのみょうがは、霧吹きや湿らせたキッチンペーパーで包み、保存袋に入れて野菜室で保存する。
     →10日程度
  • 丸のままのみょうがを水に浸して、2~3日に1度水替えをする。風味は落ちるが、長く日持ちする。
     →2週間
冷凍の場合
  • 丸のままのみょうがは表面の水気をしっかり取ってから保存袋へ。食べやすいようにカットしたものは、保存容器か小分けにして保存袋入れて保存する。
     →1ヶ月程度
  • ※食べるときは冷蔵庫で自然解凍か、凍ったまま使う。

 

夏は積極的に食べたいみょうが


 
香りで頭をスッキリさせつつ、食べて血行促進・食欲増進してくれるみょうが。

夏に向けて、夏風邪・夏バテ対策にみょうがを食べて元気になりましょう!
 

  • 当ページ監修 管理栄養士プロフィール

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  • 当ページ監修 管理栄養士プロフィール

    片村 優美

    管理栄養士

  • 2004年、国公立大学卒業後、管理栄養士免許取得。
    その後約7年間病院に勤務し、栄養指導や給食管理に従事した。

    私たちの体は食べたものから作られていることを基本に、普段の食事やバランスの良い食生活を習慣化することの大切さを伝える。

    また、間違った情報も多い中で、何が本当かわからなくなることも多い世の中。
    間違った情報はときに健康を害してしまうこともあるので、科学的根拠のある情報を慎重に選んで正確に伝えるよう心掛けている。

    ≪主な実績≫
    日本テレビOha4!NEWS LIVE、読売新聞、女性セブン、女性自身
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この記事を書いた人

nomina編集部

「もったいない野菜でおいしく健康に」をテーマに、ドリンクレシピや野菜の知識などをお届けします。

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